今回は、マンションの「リノベーション物件」をテーマにお送りします。
新築マンションを買うほどの余裕はないけれども、だからといって内装や設備が古びた中古マンションを買うのも気が進まない……そんなときにちょうどいいのがリノベーション物件です。
・築年数が一定以上であるため新築よりも安価である
・内装や設備をグレードアップする工事が行われている
というのが、リノベーション物件ならではのメリットですが、他にはどんなメリットが考えられるでしょうか。
またデメリットや注意点としては、どんなことを押さえておくべきでしょうか。
リノベーション物件の注意点
まずは、リノベーション物件の注意点を簡単にまとめてみたいと思います。
主な注意点としては、
・「適合リノベーション住宅」であるかどうか
・アフターサービス保証が付いているかどうか
・共用部分の修繕はどうなっているのか
といったことが挙げられます。
適合リノベーション住宅とは、一般社団法人の「リノベーション協議会」が定める規格にのっとってリノベーションが行われている住宅のことを指します。
適合リノベーション住宅は、行われたリノベーションの記録が「住宅履歴情報」として残っており、買主はその情報にアクセスすることができます。
目に見える部分だけでなく、壁の内側や排水管などのリノベーション工事についても確認できるので、より安心して新生活をスタートすることができるでしょう。
また、リノベーション物件は設備の欠陥や不具合を補償するというアフターサービス保証がついている場合があります。契約書をチェックして、保証の有無や内容を確認しましょう。
さらに、共用部分に目を向けるのも重要なポイントです。
マンションを選ぶ際は、どうしても専有部分の良しあしに目が行きがちですが、エントランスや廊下などの共用部分もしっかりチェックすることが欠かせません。
というのも、専有部分はリノベーションで新しくなっていたとしても共用部分は古いままというところが多く、築年数が長いほど修繕積立金が高くなる傾向にあるからです。
また、マンションは12年周期で大規模修繕を行うのが一般的ですが、その際に積立金では足りないので一時金の支払いを求められることがあります。
あらかじめ修繕計画や積立金の状況を押さえておくことが重要といえます。
リノベーション物件のメリット・デメリット
購入にあたってさまざまな点に注意しなければならないリノベーション物件ですが、そのメリットとデメリットとしてはどんなことが考えられるでしょうか。
記事の冒頭で、「新築マンションより安く購入できる」「内装や設備が充実している」という点を紹介しましたが、ここではその他のメリットやデメリットを挙げてみたいと思います。
○メリット
中古物件を買って自分でリノベーションをする場合に比べて資金計画を立てやすいのは、リノベーション物件ならではのポイントといえます。
中古物件を自分でリノベーションする場合は、
・物件の購入費用
・リノベーション費用
というそれぞれを同時に考えたうえで資金計画を立てなければならず、なかなか大変です。
また、中古物件を自分でリノベーションする場合は、リノベーションが完了するまでの期間は住むことができないので“仮住まい”を探す必要がありますが、リノベーション物件ならそのような手間がかからないというのもメリットのひとつといえるでしょう。
○デメリット
リノベーション物件は、手間がかかっていることもあって、通常の中古物件(未リノベーションの物件)に比べると割高になってしまいがちです。
また、リノベーション物件は販売数が多くないという点にも注意しましょう。
少ない物件から選ばなければならないため、「リノベーション済み」を第一条件にして探した場合、「立地の良さ」や「希望の間取り」という点を犠牲にしなければならないことも考えられます。
まとめ
今回はマンションの「リノベーション物件」についてメリットやデメリット、注意点をまとめてみました。
リノベーション物件は、専有部分の見た目が新築並みで設備が充実しており、中古物件を自分でリノベーションする場合に比べて資金計画が立てやすいといったメリットがある一方、「リノベーション済み」という点のみにこだわり過ぎると、立地や間取りの条件が合う中古物件を見逃してしまう可能性があります。
物件を探すときは、あくまでも「家族のライフスタイルや希望に合った物件を探す」ということを第一に考えましょう。