「マンションを購入したのに、数年間の転勤が決まって住めなくなった……」
そんなときに利用できるのが、今回の記事で紹介する「リロケーション」です。
簡単にいえば、いずれ戻ってくるまでの期間、マンションを人に貸すことを指しますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
また、リロケーションを活用するメリット・デメリットとは?
![空き部屋](/blog/uploads/116/akiya.jpg)
リロケーションの仕組みとは
まずは、リロケーションの基本的な仕組みについて解説します。
リロケーションとは
冒頭でも触れたように、転勤をはじめさまざまな理由で一時的に住めなくなってしまった自宅を「賃貸住宅」として貸し出すことを、リロケーションといいます。
貸主と借主との間で、「一時使用賃貸借契約」という契約を結ぶのが特徴です。
・「転勤が終わるまで」など一時的な期間を設定して貸し出せる
・1年未満という短期間の貸し出しが可能
といった特徴があります。
一般的な賃貸借契約との違い
一般的な賃貸物件の場合、貸主と借主との間で「普通借家契約」が結ばれます。
この場合、契約期間の満了後も借主が希望すれば契約が更新されます。
貸主の都合で更新を止めるには、法的に認められる「正当事由」を示す必要があります。
定期借家契約と一時使用賃貸借契約
貸主の都合で賃貸期間を決められる契約としては、「一時使用賃貸借契約」のほかに「定期借家契約」というものがあります。
・契約期間は当初定めた期間をもって終了(契約更新は不要)
・貸主から解約する場合は最低でも半年~1年前に解約予告をする
以上のような特徴があります。
一方の「一時使用賃貸借契約」の特徴は、以下の通りです。
・契約期間は貸主が帰任するまで(契約更新が不要)
・貸主から解約する場合は3ヶ月前に予告
リロケーションの流れ
ここでは、具体的なリロケーションの流れを解説します。![空き部屋](/blog/uploads/116/nagare.jpg)
1.スケジュール確認
貸し出しの期間など、貸主の都合に合わせたスケジュールの確認を行います。
2.リロケーション会社を選定
リロケーションを行うために、手続きを進めてくれる業者を選びます。
・一般的な不動産会社で進める
・リロケーション専門業者を通す
といった方法があります。
3.清掃・クリーニング
自宅を賃貸物件として貸し出せる状態にするための準備です。
物件の状態によっては、リフォームが必要になるケースもあります。
4.契約内容確認
不動産業者(またはリロケーション業者)と契約期間や賃料といった細かい条件を設定します。
5.入居者の募集・審査
業者が管理するホームページ、また不動産情報サイトなどを通じて入居者を募集します。
入居希望の連絡を受けたあとは「入居審査」を行い、支払い能力や家賃滞納のリスクなどを確認します。
6.入居者と契約・リロケーション開始
審査が通ったら、入居者と契約を締結します。
こうした契約締結は通常、不動産業者を通じて行います。
リロケーションのメリット・デメリット
ここでは、リロケーションのメリットとデメリットについて解説します。
リロケーションのメリット
・家賃収入を得ることができる
・人が住むことで防犯効果がある
・人が住むことで家の劣化を防ぐことができる
中でも大きなメリットといえるのは「家賃収入」です。
安定した収入が入れば、固定資産税などの支払いに充てることができます。
また、住まいを空き家にしていると不法侵入者が勝手に住み着いたり、違法薬物の製造に使われたりといった犯罪に巻き込まれることがありますが、リロケーションを活用すればそのようなリスクを軽減できます。
さらに、長期間に渡って空き家にすると換気不足で湿気がこもったり、埃がたまって害虫が発生するなどして劣化する可能性がありますが、これもリロケーションの活用で防ぐことができます。
リロケーションのデメリット
・家賃が相場より割安になる傾向がある
・物件や条件によっては借主が見つかりにくい
・住宅ローン控除の適用対象外になる
リロケーション物件は、借主にとって「一時的にしか借りれない(すぐ出ていかなければならない)」というデメリットがあるため、相場より安く貸し出す傾向があります。
まとめ
持ち家を賃貸物件として貸し出すことができるリロケーション。
「人気エリアである」「アクセスが良い」といった条件が揃わない場合、なかなか入居者が決まらないこともあります。不安な場合は、不動産業者やリロケーション専門業者に相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。ぜひ参考にしてみてください。