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シアーズブログ

2024.07.04

マンションの「サブリース契約」とは?メリット・デメリット・注意点まとめ

・マンションを購入したが、仕事の関係で遠方に引っ越すことになった
・親が亡くなったのでマンションを相続したが、遠方に住んでいるので空き家になる
そんなとき、「空き家にするくらいなら賃貸に出して家賃収入を得たい」という方も多いでしょう。
そこで活用できるのが、サブリースというサービスです。

サブリース会社(不動産会社など)と「サブリース契約」を結ぶことで利用できるサービスですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?またメリット・デメリットは?どんな点に注意すべきなのでしょうか?

契約

サブリース契約とは

簡単にいえば、サブリース会社にマンションの管理運営を任せ、賃貸にかかるさまざまな手続きや業務をお任せできるというものです。
マンションを所有するオーナー(貸主)とマンションを借りる入居者(借主)とが直接かかわる必要がなく、サブリース会社が入居者の窓口になってくれます。

サブリース契約のイメージ

そんなサブリース契約には、「賃料保証型」「パススルー型」という2パターンがあります。

賃料保証型

一般的に、サブリース契約というときはこちらを指します。
文字通り、月々の家賃収入について一定の金額を保証してくれるというものす。
たとえ入居者がいない空室の時期であっても、サブリース会社からの入金があります。

パススルー型

賃料保証型とは異なり、入居の状況に応じてオーナーに支払われる金額が変動します。
空室になっている期間中は、収入がありません。

マスターリースとサブリースの違い

厳密にいえば、
【マスターリース】オーナーとサブリース会社の間で交わされる「原賃貸借契約」
【サブリース】サブリース会社と入居者の間で交わされる「転貸借契約」
このような意味の違いがありますが、一般的には上記の流れをひっくるめて「サブリース契約」と呼びます。

[1] オーナーとサブリース会社との間でマスターリース契約を締結する
[2] サブリース会社と入居者の間でサブリース契約を締結する
このような流れによって、マンションの「転貸(また貸し)」をするのがサブリース契約です。

リロケーションとサブリースの違い

リロケーションも、サブリースと同じく「所有する物件を業者に任せて賃貸に出せる」というサービスですが、契約の期間が異なります。

リロケーションは、あくまでも「一時的に住めなくなった物件を賃貸に出す」というときに便利なサービスです。
「数年間の転勤が決まったので、空き家として遊ばせておくよりは賃貸として貸し出したい」というときに利用することができます。

不動産会社やリロケーションの専門業者と「一時使用賃貸借契約」を結び、
・1年未満という短期間での貸し出しができる
・「転勤から帰るまで」など自由に期間を設定できる
といった特徴があります。

サブリースのメリット・デメリット

サブリースは便利なサービスで、さまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも考えられます。
それぞれについてまとめてみましょう。

サブリースのメリット

・管理業務をお任せできる
・空室や滞納による収入減のリスクがない
・入退去時の負担が軽減される

サブリース会社が管理業務を請け負ってくれるうえ、一般的な「賃料保証型」なら、空室になろうと入居者が滞納しようと、契約期間中の家賃収入は安定しています。
また、入居者募集の広告や、入居者が退去したときの原状回復に関する費用もサブリース会社が負担する場合が多いため、金銭的な負担が低くて済みます。

サブリースのデメリット

・手数料が高くなる
・「免責期間」が設定されている場合、期間中は家賃保証がない

オーナーが自分で管理するか、管理業務のみ業者に委託する場合と比べて、手数料が割高になる点には注意が必要です。
サブリース契約の手数料は家賃の10~20%が相場です。
管理委託のみなら5~10%で済みますが、それに比べると収入が低くなってしまいます。

また、サブリース会社によっては「契約後に入居者が決まるまでは家賃保証をしない」など免責期間を設けている場合があり、その期間中は収入が得られません。

トラブルを回避するために

・せっかく契約して家賃収入を得ようと思ったのにフタを開けたら全然お金が入ってこない
・最初に聞いていた額より低くしてくれと申し入れられた
など、サブリース契約はさまざまなトラブルが発生するリスクがあります。
そのようなトラブルを防ぐために、次のようなポイントを押さえておきましょう。

サブリース会社任せにしない

たとえば、サブリース会社が設定した賃料だと、入居者がなかなか見つからなかったりすることがあります。
すでに紹介したような免責期間が設けられている場合、入居者が見つからなければその期間中は収入がないため、注意が必要です。
オーナーの側でも、物件の立地や周辺環境に基づいた家賃設定なのかなど、しっかり考えましょう。

サブリース新法を確認する

2020年、「サブリース新法」が施行されました。
具体的には、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」における「特定賃貸借契約の適正化のための措置等」のことです。

簡単にまとめると、
・サブリースのメリットばかりを誇大的に広告することを禁止する
・オーナーに不利なことを伏せたまま契約を迫るような不当勧誘を禁止する
・契約の際、「重要事項説明」を義務化する
などを定めた新法です。

サブリース契約を結ぶ際は、契約の内容を提示される際などに「新法の内容にきちんと沿っているかどうか」を確認することが欠かせません。

契約条項をよく理解する

サブリース会社が提示している「保証の内容」など、契約の段階でよく理解することが必要です。
たとえば「30年間保証します!」という売り文句で営業してくるサブリース会社があった場合、実際に保証しているのは「30年間」という期間なのか、それとも契約期間中に支払われる「賃料の金額」なのかという点をしっかり確認する必要があります。

まとめ

サブリース契約は、購入や相続で手に入れたマンションが空き家になるとき、「収入源」として活かすことができる便利なサービスです。
優良なサブリース会社と契約できれば、さまざまなメリットを享受できます。
しかし、場合によっては「せっかく任せたのに思ったほど収入が得られない」といったことでトラブルに発展する可能性もあります。
信頼できる会社と契約を結べるように、事前にサブリース新法や提示される契約の内容をしっかり確認することが大切です。