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2024.08.29

鉄筋コンクリートマンションの建材「スラブ」とは?特徴や種類を徹底解説!

鉄筋コンクリート・スラブ

今回は、主に鉄筋コンクリート造のマンションにおける「安全で快適な生活」を支えるために必要不可欠な建材のひとつ、「スラブ」について解説します。
スラブ(slab)はもともと「厚い板」という意味の英単語です。
マンションでは床や屋根を構成する建材のひとつを指し、鉄筋コンクリートで作られます。

網目状にした鉄筋をコンクリートの中に組み込むというのが、スラブの基本的な構造です。
たとえば床の場合、スラブの上にタイルなどの床材を置くことで床が完成します。

ただし、ひとくちに「スラブ」といっても種類はさまざまです。
そこで、今回の記事ではスラブの特徴に加え、いくつかあるスラブの種類についても解説します。

スラブの特徴

建物の床を支える部分は、コンクリートと鉄筋を使ったスラブ以外にも、木材のみで構成されるものや、鉄骨のみで作られるものがあります。
そんな中、特にコンクリートと鉄筋を使ったスラブならではの特徴としては、どんなことが挙げられるでしょうか。

遮音性が高い

スラブは、集合住宅でトラブルのタネになることが多い「上下階の騒音・生活音」を軽減します。
分厚いコンクリートを用いる(※)ことで、床から下階に伝わる衝撃音のうち特に「重量衝撃音(家具を動かす、人が走り回る等で起きる衝撃音)」を抑えることができます。

「上階からの生活音に悩まされたくない」
「下階の人に迷惑なのでは?とビクビクしながら過ごすのはイヤ」
そのような方には、スラブを導入している鉄筋コンクリート造のマンションをおすすめします。

(※建築基準法では8cm以上の厚さにすることが定められています)

強度が高く堅固

そもそもコンクリートは強度が高い素材ですが、その中に網目状に組み合わせた鉄筋を入れることで、より高い強度を実現。堅固な床をつくることができます。
耐久性に優れており、変形しにくいのも特徴のひとつです。

スラブの種類

鉄筋コンクリート造のマンションに使われるスラブは、
・コンクリート床スラブ(土間コンクリートスラブ、構造スラブ)
・フラットスラブ
・二重スラブ
・片持ちスラブ
といった種類に分けることができます。

コンクリート床スラブ

コンクリート床スラブは、次の2種類に細かく分けられます。

コンクリート床スラブ

【構造スラブ】
・梁や柱によって支えられたコンクリート床スラブ
・鉄筋が堅固に張り巡らされており、強度が高い
このような構造を持つスラブで、最もスタンダードなタイプです。

【土間コンクリートスラブ】
厳密にいえばスラブとは異なりますが、コンクリートに鉄筋を埋め込むという構造自体は同じです。
地盤の上に直接置かれる想定で作られたもので、安全性は地盤の強弱に左右されます。

フラットスラブ

主に海外でよく見られるタイプです。
梁を使わず柱のみで支え、見た目がフラットな仕上がりになることからフラットスラブと呼ばれています。

地震が多い日本の場合、梁がない構造では強い揺れにスラブが耐えられず、下階に落下してしまう可能性があることから、あまり採用されていません。

二重スラブ

文字通り、コンクリートに鉄筋を組み込むスラブを上下の二重にしているタイプです。
スラブとスラブの間に空間を設け、配管を通すのが主な目的です。

片持ちスラブ

各戸のベランダや、エントランスのひさしなどに用いられているタイプで、文字通り内側に向いている片方だけが壁に支えられた状態であるため、片持ちスラブと呼ばれています。

まとめ

主に鉄筋コンクリート造のマンションにおいて床や屋根を構成するスラブは、建物の強度を高め、生活音の悩みを解消する役割を担った建材です。
普段は床材の下にあって目に見えないため、“縁の下の力持ち”的な存在ですが、安全で快適なマンション生活には欠かせません。
ぜひその特徴や種類も頭に入れ、マンション探しに活かしてみてください。