外壁タイルを張られたマンションは、見た目に高級感がありますし、重厚で丈夫なイメージもあります。
そんなタイル、実はいくつかの種類に分かれます。
今回の記事では、外壁タイルの素地や張り方(工法)についてまとめてみました。
外壁タイルのメンテナンス時期についても触れているので、ぜひチェックしてみてください。
外壁タイルの素地は3種類
現在、主流となっているタイルの素地は「磁器質」「せっ器(炻器)質」「陶器質」の3種類です。
それぞれどのようなものなのか、簡単に見てみましょう。
磁器質
磁器質タイルは石英、長石、粘土といった素材を1250℃以上で焼成したタイルです。
・温度変化に強い
・氷点下や高温下でも劣化しにくい
といった特徴を持ちます。
せっ器質
せっ器質タイルは粘土、長石などを1,200℃前後で焼成したタイルです。
強度は磁器質タイルと同等といわれています。
陶器質
陶器質タイルは陶土、石灰などを1,000℃以上で焼成して作られたタイルです。
磁器質タイル、せっ器質タイルと比べると強度は下がります。
吹き付けタイルはタイル張りとは違う
マンションの外装について調べていると、「吹き付けタイル」という言葉を目にすることがあるでしょう。
そして名称だけ見ると、鉱物や粘土を素材とする上記のタイル(磁器質、せっ器質、陶器質)と似たものと思われるかもしれません。
しかし吹き付けタイルは、いわゆる「タイル張り」とは根本的に異なります。
タイル張り | 磁器質、せっ器質、陶器質のタイルを並べて張る |
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吹き付けタイル | 塗料を吹き付ける塗装仕上げの一種 |
吹き付けタイルは「タイル」という名称ではありますが、合成樹脂やモルタルを原料とする塗料をスプレーガンで吹きつける「塗装仕上げ」です。
主な張り付け方法
一般的に、外壁タイルの張り方は「湿式工法」「乾式方法」の2種類です。
ここでは、その2つの工法についてご紹介します。
湿式工法
接着用のモルタルを塗った上からタイルを張っていく工法のことを、「湿式工法」と呼びます。
「湿式」と呼ばれるのは、モルタルがセメントや砂を「水」で練って作られているためです。
職人の技術や施工中の天候により、仕上がりが変わるという特徴があります。
乾式工法
・下地の上に、接着剤を使ってタイルを張っていく「接着工法」
・凹凸の付いた専用下地にタイルを引っかける「引っかけ工法」
このように、水を素材とするモルタルを使わない工法を「乾式工法」と呼びます。
湿式工法よりコストがかかりますが、仕上がりが一定で作業時間が短いという特徴があります。
外壁タイルもメンテナンスは必要
磁器タイルやせっ器タイルには高い強度がありますが、長期間にわたって紫外線や直射日光にさらされ続けることで、徐々に劣化していきます。
また、外壁タイルそのものは30年ほど状態が保たれる場合もありますが、モルタルや接着剤、シーリング(タイルの隙間を埋める弾力性のある素材)の耐用年数は10年ほどであるとされています。
そのため、分譲マンションの多くは10~12年周期で行う大規模修繕の時期に外壁タイルのメンテナンスを行っています。
まとめ
マンションの外壁タイルは、建物の見た目に高級感を与えるだけでなく、風雨や日差しから建物を守る役割があります。
マンションを購入する際は、外壁タイルの素地・張り方などにも注目してみてください。