「住み心地の良いマンション」を考える際、重要なポイントとなるのが「断熱性」です。
断熱性の高さは「断熱等級」で確認できるのですが、「断熱等級って何?どこで見ればいいの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、
・断熱等級とは何か?
・断熱等級の確認方法とは?
といった内容でまとめてみました。
断熱等級とは?
断熱等級とは、断熱性の高さを表す指標のことです。
等級が上であればあるほど断熱性が高いことを意味します。
従来は1~4級の4つのランクが設定されていましたが、
【2022年4月】5級
【2022年10月】6級・7級
と新たに等級が設定され、現在の最高ランクは「7級」となっています。
断熱性能はマンションにも必要?
現在、新築マンションの多くは鉄筋コンクリート造ですが、コンクリートは気密性が高い反面、断熱性が低いという特徴があります。
そのため、断熱材を使用するなどして断熱性を高める必要があるのです。
マンションの断熱性は、住む人の「健康的な生活」を考える上でも重要です。
断熱性の高いマンションは部屋の温度・湿度が安定するため、睡眠の質が向上します。
また冬の寒い時期など、部屋は温暖に保たれるため、「コタツの中でじっと暖をとる」という必要がなく、活発に活動できるのもポイントです。
さらに、「断熱性が高い住宅」と「断熱性が低い住宅」に住んでいる人を比較した場合、健康診断の結果に差が出ることが医学的に判明しています。
その他、子どもが喘息になる確率を下げることにもつながります。
・断熱性が高く、床付近の温度が16.1℃以上
・断熱性が低く、床付近の温度が16.1℃未満
これらを比べた場合、2倍の差が出ることがわかっています。
マンションの断熱性能の確認方法
物件における断熱性能の有無や断熱等級は、主に以下の4点から確認できます。
・設計住宅性能評価書
・設計図
・内断熱か外断熱
・築年数
マンションを購入する際、あらかじめチェックしておくことをおすすめします。
設計住宅性能評価書
「設計住宅性能評価書」は、「住宅の品質確保の推進等に関する法律(品確法)」における「住宅性能表示制度」によって作成される書類です。
この書類には断熱等級が記載されているため、用意されている場合はすぐに確認できます。
設計図
設計図を見れば、どういった断熱材が使用されているかを確認できます。
内断熱か外断熱
内断熱 | コンクリート建物の室内側から断熱すること 建物の内側(柱の中)に断熱材を仕込む |
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外断熱 | コンクリート建物の外側から断熱すること 建物の外側(柱の外側)ごと断熱材で包み込む |
一般的には内断熱工法が採用されていますが、寒冷地のマンションなどでは外断熱工法が採用されていることもあります。
設計図の断面詳細図、仕上げ表で確認することができます。
築年数
断熱等級が設定された2000年より前に建てられたマンションだと、断熱性が低い可能性があります。
ただし、リノベーション工事などで断熱等級が上がっている場合もあるため、築年数が長い場合はその点も確認しておきましょう。
マンションの断熱性能が低い場合の影響
マンションの断熱性が低い場合、以下のような影響が考えられます。
夏場は蒸し暑い
コンクリートが熱されることで室内の温度が高くなり、より蒸し暑く感じるようになります。
冬場は肌寒い
冬場はコンクリートが冷えて部屋の気温が下がり、家の中でも強い冷えを感じるようになります。
光熱費が高くなる
夏場はエアコンの設定温度を低く、冬場には高く設定するため、光熱費が余計かかるようになります。
まとめ
2025年4月以降に新築される建造物は、断熱等級「4」以上の性能を持つように義務化されます。
さらに、2030年には省エネ基準が引き上げられるため、断熱等級「5」が最低等級になる予定です。
断熱性能が低いマンションは、住む人の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、資産価値が下がる可能性があります。マンション購入を検討する際は、断熱等級をしっかり確認しましょう。