マンションの購入や住み替えを検討するとき、「専有面積」という言葉をよく目にします。
しかし、専有面積の意味やどの範囲が含まれるかを正しく理解していないと、実際に住み始めてから「思っていた広さと違う」と感じてしまうことがあります。
この記事では、そんな専有面積の基本的な定義から計算方法、含まれない範囲までわかりやすく解説するので、マンション購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
専有面積とは?
専有面積とは、マンションやアパートなどの集合住宅において、居住者だけが専用で使える室内部分の床面積を指します。
リビングや寝室、キッチン、浴室、トイレ、玄関、収納など、日常生活で実際に利用する室内空間が含まれます。
専有面積の計算方法
専有面積は物件情報で事前に確認できますが、「実際に見た広さ」と数字の印象が違うことがあります。これは、「壁の厚みを含めて計算する壁芯面積」と「壁の厚みを含めずに計算する内法面積」という2つの算出方法があるためです。
そして、物件広告では「壁の厚みを含めた壁芯面積」だけが掲載されるケースが多いので、数字と体感にズレが生じるのです。
壁芯面積
壁芯面積とは、部屋を囲む壁の“中心線”を基準に計算した面積のことです。
壁の厚みが面積に含まれるため、実際に使える広さよりも大きくなります。
「不動産の表示に関する公正競争規約」により、物件広告ではこの壁芯面積を用いることが原則とされています。
内法面積
内法面積とは、壁の“内側だけ”を基準に計算した面積のことで、実際に生活で使える広さを示します。
実際に家具の配置や生活動線を考えるうえで、重要なのがこの内法面積です。
壁芯面積と内法面積の差はおおよそ5~10%とされています。
実際の居住空間の広さを知りたい場合は、内法面積を確認しましょう。
専有面積に含まれない範囲
日常的に使う場所でも、専有面積に含まれないスペースがいくつかあります。
玄関ポーチ
玄関ドアの外側にあるスペースは共有部分として扱われるため、専有面積には含まれません。
ロフト
「広さが下階の1/2未満」「天井までの高さが1.4m未満」など、一定条件を満たす場合は物置スペースの扱いとなり、専有面積には含まれません。
そのため、ロフト付き物件は表記されている専有面積よりも実際に使えるスペースが広くなります。
バルコニー・ベランダ
避難経路として利用される共用部分であるため、専有面積には含まれません。
床下収納
床下収納は専有部分ではあるものの、その面積が専有面積の1/2未満の場合、算定から除外されます。
メーターボックス・パイプスペース
電気や水道の設備が収納されているスペースです。
共用設備として管理されるため、専有面積には含まれません。
まとめ
専有面積とはマンションなどの専有部分の床面積を指します。
専有面積には、壁の厚みを含める壁芯面積と含めない内法面積という2種類の計算方法があり、物件広告では原則として壁芯面積が用いられます。
実際に使える居住空間の広さを知りたい場合は、販売会社へ問い合わせるか、内見時に実際の広さを確認してみてください。
また、玄関ポーチやバルコニー、ロフトなど、日常的に使うスペースであっても専有面積に含まれない部分があることを理解しておくことが大切です。