分譲マンションを購入すると、月々の住宅ローンとは別に「修繕積立金」を納めなければなりません。
これは約10年に一度行うと計画されている「大規模修繕工事」のために積み立てる費用です。
分譲マンションの購入者は、例外なく全員が納めることになっています。
では、そんな修繕積立金が使われる修繕工事とは、具体的にはどのようなものを指すのでしょうか。
また、実は修繕積立金の「積立方式」には2種類ありますが、それぞれどのようなものなのでしょうか。
気になるポイントをまとめてみました。
修繕積立金の使いみちとは?
マンションで計画されている修繕工事の中には、
・共用施設に使われる部品交換
・排水管の清掃
・外壁工事
などがあります。
また、災害によって修理やメンテナンスが必要になった場合など、「計画外の修繕」に必要な費用も修繕積立金から支払われます。
修繕積立金はマンションという資産を維持するための費用であると同時に、不測の事態に備える費用でもあるのです。
2つの積み立て方式がある
修繕積立金は「段階増額積立方式」と「均等積立方式」の2通りの積み立て方があります。
ここでは、それぞれの方式についてまとめてみたいと思います。
○段階増額積立式
これは読んで字のごとく段階を踏んで修繕積立金を増やしていく方法です。
「新築のうちは修理の必要が少ないから、修理が必要になった時点で必要な修繕費用を負担する」という考えによって採用された方法で、購入初期は修繕費用が安く済むことがメリットとされています。
しかしデメリットとして、徐々に増えていく修繕積立金に苦しめられる可能性があるという点があります。
一般的には購入してから約10年で1万円以上値上がりするといわれているため、「マンション購入後はギリギリの生活になりそう」という方は要注意です。
○均等積立方式
竣工当初から均一の修繕費を払い続ける方式を指します。
建築年数が変わっても積立金が値上がりすることはないため、特に永住を考えている場合は有利です。
また、均一の修繕費がコンスタントに積み立てられるということで、管理会社は大規模修繕工事の計画がしやすいというメリットがあります。
一方のデメリットは、
・段階増額積立式に比べて初期の修繕費が割高
・採用しているマンションが少ない
という点が挙げられます。
実は、この均等積立方式は国土交通省が推奨している方式なのですが、採用しているマンションはほんの一部しかないといわれています。
とはいえ、近年では徐々にこちらの方式に切り替えるマンションも増えつつあるようです。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は2種類の積立方式について触れましたが、ポイントは「計画された修繕工事が滞りなく実施できる資金が確保されるか」です。
たとえば、段階増額積立式にも均等積立方式にもそれぞれデメリットはあるわけですが、デメリットをカバーするための対策をしっかり行っている限り、どちらの場合であっても、修繕工事が計画通りに実施できる資金が確保できるのであれば問題はありません。