災害大国の日本には、「地震・雷・火事・親父」という古い標語があります。
ダジャレ混じりに、気をつけるべき災害を列挙している言葉であるわけですが、今回はその中でも特に「雷」について取り上げます。
異常気象が続く近年、突然の大雨とともに雷が鳴り始め、「近くに落ちるのでは?」と不安になった経験をお持ちの方は多いと思います。
特にマンションにお住まいの方、これからマンションを購入しようとお考えの方は、「マンションは落雷にちゃんと備えているのか?」「いざというときはどうやって対処すればいいのか?」という不安や疑問をお持ちでしょう。
そこで、今回の記事ではマンションにおける落雷対策についてまとめてみました。
雷からマンションを守る「避雷針」とは?
「雷は高い建造物や樹木に落ちる性質がある」ということはご存じの方も多いかと思いますが、そこで不安なのは「マンションも割と高い建造物だけど大丈夫なの?」ということでしょう。
しかし、少なくともマンションの建物自体が落雷で倒壊したり、住人の生命が脅かされたりする可能性はあまりないので、その点は安心して大丈夫です。
というのも多くの場合、マンションには「避雷針」が設置してあるからです。
日本では、建築基準法によって高さ20m以上の建物にはすべて避雷針を設置しなければならないと決まっています。階数が6~7階より多い場合、ほぼ間違いなく避雷針が設置されているでしょう。
避雷針は、落ちてくる雷を意図的に誘導し、安全な導線で地下に放電するための装置です。
避雷針に雷が落ちると建物に電流が走ることになりますが、住んでいる人に直接的な被害がもたらされることはありません。
雷から家電を守るための方法とは?
ただし、避雷針があれば落雷の被害がまったくない……というわけではありません。
「雷サージ」という現象が起きる場合があり、家電がダメージを受けて故障してしまう可能性があるのです。
避雷針に誘導された雷の電流が建物の導線を通るとき、建物内部の電線を通って電流が侵入してくることがあります。そして、コンセントにつながれた家電に電流が伝わり、ダメージを与えてしまうことがあります。
これを雷サージといいます。
雷サージを防ぐためには、雷サージ保護機能を持つ電源タップ(延長コード)を使うのが有効です。
雷サージは過剰な電流が侵入することで起こりますが、保護機能付きの電源タップは、ある程度の過剰な電流を吸収し、家電に伝わりにくくしてくれます。
ただし、雷サージを100%完全に防げるわけではないので注意が必要です。
不安な方は、雷が近くに落ちそうなときは思いきって家電のコンセントを抜いてしまうのがおすすめです。
落雷被害は火災保険の対象になる?
雷サージなど落雷が原因で何らかの被害がもたらされた場合、その被害を保険でカバーすることは可能なのでしょうか?
たとえば、保険を使って故障した家具の買い替えをすることは可能でしょうか?
結論からいえば、火災保険の対象になる可能性があります。
火災保険は、名前だけを見れば火災のみを対象にしているように思われがちですが、実は火災だけでなく落雷・爆発なども対象となります。
ただし、個々の保険によってそもそも可能かどうかや補償の程度は異なるので、不安な方は事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
建築基準法にのっとって避雷針が設置してあるマンションであれば、少なくともマンションの建物自体が大きなダメージを受けることはなく、住人の方が被害を受ける可能性もほとんどありません。
ただし、過剰な電流が建物内に流れ込むことで雷サージが発生し、家電がダメージを受ける可能性はあるので要注意です。
・家電サージを保護するアイテムを導入する
・雷が鳴ったら家電のコンセントを抜くことを家のルールにする
・万が一の事態に備えて火災保険の補償内容を確認しておく
といったことを心がけておきましょう。