「子どもが増えたので今のマンションが手狭になった」などの理由でマンションの買い替えをする際、基本的な流れは、「①不動産業者に今あるマンションの査定を受ける」「②不動産業者と媒介契約を結んでマンションを売り出す」「③売却先が見つかったらマンションを引き渡して新居へ」という感じです。
ここで考えるべきなのが、
・今あるマンションを売るのが先か
・次のマンションを買うのが先か
ということです。
不動産業界では、それぞれ「売り先行」「買い先行」と呼びます。
今回の記事では、そんな「売り先行」「買い先行」それぞれのメリットとデメリットを中心に解説します。
売り先行のメリットとデメリット
「売り先行」とは、冒頭にもあるように、買い替えにあたって今あるマンションの売却を優先する方法です。
そのメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
売り先行のメリットとしては、
・売却代金を新居購入にあてられるので買い替えがスムーズに進む
・じっくり時間をかけてマンションを売却できる
という点が挙げられます。
新居の購入を決めてからマンションを売却するとなると、思ったより高く売れなくて新居の購入計画を見直さなければならなくなったり、「早く売らないと」という焦りから不本意に値下げをしてしまったりすることが考えられますが、売り先行ならそのようなことがありません。
デメリット
一方で、マンション売却後に新居が見つかるまでに時間がかかると、賃貸マンションなどの「仮住まい」を用意しなければならず、敷金礼金や家賃など余計な出費がかかってしまうというデメリットが考えられます。
買い先行のメリットとデメリット
新居の購入を決めてから今のマンションを売る「買い先行」のメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
メリットとしては、仮住まいを用意する必要がなく、今のマンションを引き払った後すぐに新居に引っ越せるということが挙げられます。
また、中身を空っぽにした状態で売りに出すことができるので、内覧に訪れた人が良い印象を持ちやすく、購入につながりやすいというのもメリットのひとつです。
デメリット
すぐに今のマンションが売れればいいのですが、場合によってはなかなかそうもいかないことがあります。
特に今のマンションの住宅ローンが残っている場合、今あるローンを返済しながら新居の住宅ローンも返済していかなければならず、金銭的負担が大きくなります。
また、なかなか買い手が見つからないと気持ちが焦ってしまい、売値を下げてしまいがちなのもデメリットのひとつといえるでしょう。
売却査定の結果で「売り先行」か「買い先行」か決めよう！
売り先行か買い先行か決めるためには、上記のようなメリット・デメリットを考えあわせる必要があるわけですが、決める際の材料のひとつになるのが「売却査定の結果」です。
売却査定とは、不動産業者に依頼して今あるマンションがどれくらいで売れるか査定してもらうことです。
たとえばその際に「立地が良いので、売りに出せばすぐ売れると思います」などポジティブな結果が出た場合は、買い先行を選ぶことができるでしょう。
まとめ
マンションの買い替え手順には、「売り先行」「買い先行」という2通りがあります。
売り先行はマンション売却にじっくり時間をかけられるのがメリットですが、売却後に新しい住まいを購入することになるため、それまでの仮住まいを用意しなければならないなどのデメリットがあります。
一方の買い先行は、新居の購入を優先するため引っ越しが1回で済む(仮住まいを用意しなくてもよい)のがメリットですが、今のマンションがなかなか売れない場合、早く売るために値下げせざるを得なくなるなどのデメリットがあります。
売り先行・買い先行のどちらにすべきか判断する際は、不動産業者による売却査定の結果が有力な材料となります。査定を受け、相談をしたうえで適切な方法を選ぶようにしましょう。
