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2025.01.29

マンションの「ZEH-M」とは?健康面、防災面などさまざまなメリットについて解説!

マンション購入にあたっていろいろ調べる中、「ZEH-M」という用語を目にすることがあると思います。
これは「ZEH」という基準を満たしたマンションを指すのですが……マンション事情に詳しくないと、パッと見ただけでは「何のことだか」という方が多いでしょう。

ZEH-M

というわけで今回は、
「ZEHって何?」
「ZEH-Mのメリットは?」
といった疑問にお答えする内容でお送りします。

ZEH-M(ゼッチ・マンション)とは?

ZEH-Mとは、「ZEH」という基準を満たしたマンションを指します。
「ZEH」は「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称で、「年間の一次エネルギー消費量をゼロ以下にする」という目標を達成するための基準です。

具体的には、
・断熱性能を高めて省エネ率を上げる
・太陽光発電などを活用して再生可能エネルギーを生み出す
といった取り組みを通じて、マンションの住戸で消費する一次エネルギーをプラスマイナスゼロにすることを目指します。

そのために、
・すべての住戸の外皮断熱性能が「ZEH基準」を満たしている

・省エネ基準から20%以上の一次エネルギー消費量を削減することが可能
といった基準が設けられています。

ZEH-Mのタイプ


ZEH-Mは、マンションの「階の高さ」に応じて次の4タイプに分かれています。

タイプ マンションの階数 省エネ率 再エネを含む省エネ率
ZEH-M 3階以下 20% 100%以上
Nearly ZEH-M 3階以下 75%以上100%未満
ZEH-M Ready 4~5階 50%以上75%未満
ZEH-M Oriented 6階以上 再エネの導入は不要

ZEHは、省エネ率を上げつつ太陽光発電などによって再エネの取り組みを行う必要があります。
しかし、太陽光パネルによる発電量には限りがあるため、マンションの階数が高くなればなるほど、マンションの全住戸をカバーすることが難しくなります。

そのため、階数が高い場合は「再エネを含む省エネ率」が緩くなっているのです。

ZEH-M

ZEH-M(ゼッチ・マンション)

ZEH基準をしっかり満たし、一次エネルギー消費量を“プラマイゼロ以上”にするマンションです。
従来の省エネ基準より20%以上の削減を行ったうえで、太陽光発電などにより、消費エネルギーを上回る再生可能エネルギーを生み出すことが求められます。

Nearly ZEH-M(準ゼッチ・マンション)

上の「ZEH-M」よりはやや緩く、「ZEHに近づければ(ニアリー=Nearly)OK」というスタンスです。
そのため、再エネを含む省エネ率は「75%以上100%未満」となっています。

ZEH-M Ready(ゼッチ・マンション・レディ)

ここでいう「レディ=Ready」とは、「準備ができていること」を指します。
上の「Nearly ZEH-M」に比べてさらに緩く、再エネを含む省エネ率は「50%以上75%未満」です。

ZEH-M Oriented(ゼッチ指向型マンション)

「ZEH-M oriented」は、6階以上のマンションで目指すべき基準として設定されているものです。
大きな特徴は、「再エネの導入は不要」とされていること。
再エネを含まない省エネ率が従来の20%以上であり、なおかつZEH基準を満たした断熱性能が取り入れられていれば、「ZEH-M oriented」と認定されます。

ZEH-M Orientedのメリット

都市部では6階以上のマンションに高い需要があります。
ここでは6階以上のゼッチ・マンションである「ZEH-M Oriented」のメリットについてまとめてみました。

高い断熱性能

ZEH-M Orientedなら壁、床、天井それぞれに断熱性の高い素材が使用されているため、夏はクーラーの冷気が逃げにくく、冬は暖房の暖気を逃がしにくい設計となっています。

健康面

暖房の効きが悪い部屋に住んでいれば風邪もひきやすくなりますし、室内の寒暖差が激しい住居に住んでいればヒートショックなどの危険性が高まります。

一方、断熱性が高いマンションなら夏の暑さ・冬の寒さの影響を受けにくいため、ヒートショックなどのリスクを軽減でき、健康に過ごすことができます。
また、断熱性の高い住宅は「気管支炎」や「アトピー皮膚炎」が緩和されたという調査結果もあります。

防災面

ZEH-Mは、災害時に停電した場合でも、太陽光発電などで蓄積した電力を使用することができます。
「ZEH-M Oriented」には再エネの導入義務はありませんが、中には再エネに特化した設備を設けている物件もあります。
そういったマンションであれば、災害時でも電気を使用したり、暖かいお湯を沸かしたりすることができます。

光熱費の削減

夏の暑さや冬の寒さの影響を受けにくいため、冷暖房の使用頻度を下げることができます。
その結果、光熱費を削減することが可能です。

補助金や税金の控除

新築住宅の購入やリフォームの際、「住宅補助金」を利用できるのですが、ZEH-Mを購入する場合には40万円の補助金を受け取ることができます。
また、ZEH-Mは国が定めた「省エネ基準適合住宅」となるため、毎年の「住宅ローン控除」で控除できる金額も増えます。

まとめ

マンションを購入するとき、ついつい物件の立地や住戸の広さ、価格などのデータにばかり目がいきがちですが、実際に入居してからの「暮らしやすさ」も考えることが大切です。
というわけで、高い断熱性を実現し、健康面でのメリットや光熱費の削減などもできるZEH-Mも検討してみてはいかがでしょうか。