今回は、「マンションにおける水道管の凍結」について解説します。
めったにないことですが、お住まいの環境や設備によっては発生することも……。
というわけで、「凍結しやすい水道管」について、また凍結したときの対処方法についてまとめてみました。
マンションでも水道管は凍結する？
現在主流の鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションには断熱材が使用されているため、冬場でも水道管の温度が急激に下がることはなく、凍結することはほとんどありません。
しかし、
・築年数が古い(断熱性が高くない)
・寒冷地にある
などの条件によっては、凍結が起こる可能性があります。
そのため、まずは「マンションでも起こりえるトラブルである」と認識しておくことが大切です。
マンションでの凍結
マンションにおける水道管の凍結は、
・各家庭(各戸)の水道管で発生する
・共用部配管が凍結する
以上の2パターンに分かれます。
ここでは、それぞれの凍結が発生する原因について解説します。
凍結しやすい水道管
マンションにおいて、
・日当たりの悪い北側にある水道管
・屋外に設置されている水道管(ベランダの水道など)
・使用頻度が低い水道管
このような水道管は、凍結が起こりやすいといわれています。
そもそも本来、水道管は気温が-4℃以下になると凍結しやすくなりますが、上記のような水道管は、気温が-4℃より高いときでも凍結するケースがあります。
特に、日当たりが悪い位置にある水道管は内部や周囲の温度が下がりやすいため、室内であっても注意が必要です。
共用部配管の凍結
貯水槽から「共用部配管」によって各戸に給水を行うタイプのマンションでは、この共用部配管が外気に接していることで、冬場に凍結が起こる場合もあります。
特に、「高架水槽方式」を採用しているマンションは比較的、凍結の可能性が高いといえます。
貯水槽がマンションの屋上に設置されているため、
・気温低下の影響をダイレクトに受ける
・冷たい風にさらされる
といったことで、凍結を起こしやすいのです。
マンションで凍結したら？
マンションで凍結が起こった場合、どのような行動をとるのが正解なのでしょうか。
時間の経過を待つ
まずは、「自然に溶けるのを待つ」というのがいちばん安全です。
たいていの場合、日中になれば気温が上がり、凍っている場所が自然に溶けていきます。
ちなみに、「早く元通りにしたいから」と熱湯をかけたりすると、急激な温度変化に水道管が耐えきれずに破損してしまうおそれがあるので、絶対にやめましょう。
管理会社へ連絡
共用部配管の凍結が疑われる場合は、管理会社に連絡を入れ、設備業者を手配してもらいましょう。
設備業者は、解氷機で氷を溶かす作業を行うなどして、凍結・断水解消の作業を行います。
マンションでの凍結対策
マンションで起きる凍結には、以下の対策が有効です。
【1】タオルや布を巻き付ける
【2】ビニール袋をかぶせる
【3】段ボールを巻き付ける
ポイントは、「水道管に冷気を当てない」「濡らさないようにする」ということです。
また、市販の「凍結防止ヒーター」を使用するというのも対策のひとつです。
まとめ
マンションでの水道管の凍結は、原因や発生した場所によって、対応が変わってきます。
大切なのは、「普段から個人でできる対策を行う」ということです。
「寒い時期は水道管にタオルを巻く」という習慣をつけておくだけでも凍結は起こりにくくなるので、「凍結が心配」という方は今日から実施してみてください。
しかし、個人で気をつけていても、共用部配管の凍結は対策が難しいです……。
その場合は慌てずに管理会社へ連絡し、少しでも早く断水が解消されるのを待ちましょう。
