マンションを購入するにあたって、光熱費の節約を考えて「省エネ」を重視したい方は多いでしょう。
そんなときに指標となるのが、BELS(建築物省エネ性能表示制度)に基づく『省エネ性能ラベル』です。
早い話が、広告などにBELSに基づく『省エネ性能ラベル』が付いているマンションは、「一定以上の省エネ性能を備えているよ!」ということなのですが……。
BELSとは具体的に何を意味するのか、BELSに基づくラベルには何が記載されているのか、まとめました。

BELS(ベルス)とは?
BELSは「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」を略した言葉で、直訳すると「建築物省エネルギー性能表示制度」となります。
2022年に施行された改正建築物省エネ法に基づき、「マンションを含む建築物の省エネ性能についてわかりやすく表示しなければならない」と定められた制度を指します。
まず、各自治体に登録している「第三者機関」により、建築物の省エネ性能に関する評価が行われます。
それをもとにラベルが作成され、広告などに掲載されます。
マンションの購入者は、ラベルの有無や内容を確認することで、省エネ性能についてスムーズに把握できるようになるのです。
BELSとZEH-M(ゼッチマンション)の違い
「マンションの省エネ性能」と聞いて、「ZEH-M」という用語を思い浮かべた方もいるでしょう。
確かに、BELSもZEH-Mも物件の省エネ性能に関する言葉ですが、意味する内容は異なります。
BELS | 省エネ性能をわかりやすく表示することを定めた「制度」のこと |
---|---|
ZEH-M | ZEH基準(省エネ・再エネ基準)をクリアした「M(マンション)」のこと |
つまり、「ZEH-Mであるかどうか」を含め、省エネ性能に関する表示を行うことを定めた制度(※)のことをBELSというわけです。
(※一応は「努力義務の強化」ですが、表示をしない事業者は勧告対象になるということで、ほぼすべての新築マンションに表示されると考えて間違いありません)
ちなみに、ZEH基準については以前、『マンションの「ZEH-M」とは?健康面、防災面などさまざまなメリットについて解説!』という記事で触れているので、詳しくはそちらをご覧ください。
BELSの評価レベルと評価基準
BELSで評価されるポイントは、物件の「エネルギー消費性能」「断熱性能」の2点です。それぞれ具体的にどのように評価されるのか、見てみましょう。
エネルギー消費性能
物件のエネルギー消費性能については、再生可能エネルギー利用設備(太陽光発電設備など)が設置されているかどうかで、評価の基準は変わります。
それぞれ、次のように5段階(0~4)もしくは7段階(0~6)で評価されます。
数字が上であればあるほど、より国が定めた省エネ基準に近づけていることを意味します。
・再生可能エネルギー利用設備がない
評価レベル | エネルギー削減率 |
---|---|
4 | 30%以上 |
3 | 20%以上30%未満 |
2 | 10%以上20%未満 |
1 | 0%以上10%未満 |
0 | 0%未満 |
・再生可能エネルギー利用設備がある
評価レベル | エネルギー削減率 |
---|---|
6 | 50%以上 |
5 | 40%以上50%未満 |
4 | 30%以上40%未満 |
3 | 20%以上30%未満 |
2 | 10%以上20%未満 |
1 | 0%以上10%未満 |
0 | 0%未満 |
断熱性能
物件の断熱性能については、「レベル1」~「レベル7」の7段階で評価されます。
数字が大きければ、その分だけ断熱性能が高いことを意味します。
BELSの省エネ性能ラベル
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)に基づいて、マンション広告などに載せられる省エネ性能ラベルには、次に挙げる10項目が見られます。
評価対象の住宅の種類
マンション全体 | 住宅(住棟) |
---|---|
個別の住戸 | 住宅(住戸) |
上記のように、物件の種類が記載される。
再エネ設備の有無
再生可能エネルギー利用設備があるか否かが記載される。
「再エネ設備あり」or「再エネ設備なし」
エネルギー消費性能
『BELSの評価レベルと評価基準』で解説した「エネルギー消費性能」に関する5段階もしくは7段階評価が記載される。
断熱性能
『BELSの評価レベルと評価基準』で解説した「断熱性能」に関する7段階評価が記載される。
目安光熱費
省エネ性能によって年間の光熱費がどうなるのか、目安の金額が記載される。
ZEH水準
「エネルギー消費性能3以上」かつ「断熱性能5以上」達成でチェックマーク(✅)が付く。
ネット・ゼロ・エネルギー(ZEH)
年間のエネルギー消費量プラスマイナスゼロを達成した際にチェックマーク(✅)が付く。
自己評価・第三者評価
「自己評価」もしくは「第三者評価 BELS」と記載される。
建物名称
評価の対象となった物件(マンション)名が記載される。
個別の住戸が対象の場合は、部屋番号も付く。
評価日
第三者機関による評価が行われた日が記載される。

まとめ
BELSは、物件の省エネ性能を第三者機関が評価する制度であり、高い信頼性が担保されます。
マンションを購入するにあたって省エネを重視したい方は、省エネ性能のラベルを確認し、「第三者評価 BELS」の表記があることを確認しましょう!