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シアーズブログ

2025.06.18

マンションのCASBEE(環境性能評価システム)とは?

マンションを購入するにあたっていろいろ調べていると、「当物件はCASBEEでAランクを獲得しているマンションです」のような広告のフレーズを目にすることがあるでしょう。
しかし、「CASBEEって何?」「ランクが高いと何がすごいの?」と気になる方も多いはず。
そこで、今回はそんなCASBEEについて解説します!

CASBEE

CASBEE(キャスビー)とは?

CASBEEは「Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency」を略したもので、日本語に訳すと「建築環境総合性能評価システム」となります。
マンションを含む建築物が環境(生活環境や地球環境)に配慮したものであるかどうか、ランク付けして評価するシステムです。
CASBEEがハイランクであれば、その分だけ環境への配慮ができている建築物であるといえます。

2001年、深刻化する環境問題への対応のひとつとして国土交通省が定め、現在は各自治体で制度化されています。

CASBEEの評価

CASBEEの評価基準は「Q(クオリティ=品質・性能)」「L(Load=負荷)」の2項目で、それらを総合して5段階評価の結果が出る仕組みです。
詳しく見てみましょう。

Q(Quality)

建築物の環境品質を評価する項目です。
機能性、快適性、耐用性といった利用者や居住者の過ごしやすさをはかる「サービス性能」や、室内・室外環境の良しあしを評価し、数値化します。
数値が高いほど、ランクは高くなります。

L(Load)

建築物が、環境に対して与える負荷を評価する基準です。

自然に囲まれたマンション

・建築物のエネルギー消費が環境に与える負荷レベル
・建築による資源の消費・有害物質の使用による負荷レベル
・周辺環境に与える負荷レベル(大気汚染、騒音など)

上記のような負荷レベルが数値化され、こちらは数値が低いほど環境に配慮できていると判断されます。

評価ランク

上で解説したQ、Lを総合して5段階評価が決まります。

S 素晴らしい(☆☆☆☆☆)
A 大変良い(☆☆☆☆)
B+ 良い(☆☆☆)
B- やや劣る(☆☆)
C 劣る(☆)

CASBEE建築

CASBEEの対象となる「CASBEE建築」には、次の2種類があります。

・CASBEE建築(新築)
・CASBEE建築(住戸ユニット)

マンションの場合、一棟まるごと評価する際は「新築」が用いられ、住戸ごとに評価する際は「住戸ユニット」が用いられることになります。

新築

戸建て住宅(※)を除く新築の建築物については、「CASBEE建築(新築)」で評価されます。

評価項目は、 ・Q(Quality=環境品質)
・LR(Load Reduction=環境負荷低減性)
となっています。

(※戸建て住宅は「CASBEE戸建」で評価されます)

住戸ユニット

マンションは、階層や東西南北の向きによって評価が変わるため、住戸ごとに環境性能が評価されます。
「新築」と同じく「Q」「LR」の2項目で評価されることになります。

CASBEEのメリット・デメリット

マンションを購入するにあたり、CASBEEの評価を得ている物件を選ぶメリットとは?
逆に、デメリットがあるとすればどんなことが考えられるでしょうか?

メリット

居住環境を重視したいとき、CASBEEはわかりやすい指標として機能してくれます。
「環境に良い生活を送りたい」
「周辺環境が良い住まいを選びたい」
そんなとき、環境性能をはかる知識がない一般の人でもCASBEEをチェックすればスムーズに把握することが可能です。

デメリット

住戸を選ぶ際、判断の足かせになってしまう可能性があります。

CASBEEは、あくまでも環境性能に関する評価です。
5段階評価で最低の「C」であったとしても、住宅として何らかの欠陥があるわけではありません。
しかし、マンションを購入するにあたって予算や立地が条件に合う物件を見つけたものの、CASBEEが「B-」や「C」だとしたら、あまり良いイメージはないでしょう……。

何を重視して住まいを選ぶか、あらかじめ基準を明確にしておく必要があります。

まとめ

CASBEEは、住まいの環境性能を客観的な5段階評価でチェックできる指標です。
ランクが高い(Sに近い)ほど、優れた環境の中で生活を送ることができます。
物件を選ぶにあたって「環境」を重視したい方は、CASBEEを確認してみてはいかがでしょうか。